大阪大学人間科学部 荒牧研究室


自己紹介

 どうすれば「人々が幸せに暮らせる社会」を実現できるでしょうか?
 その反対に、充実した幸せな生活を阻害する要因とは何なのでしょうか?
 これらの疑問に答えるため、人々の生き方や考え方が社会的な条件によってどのように「影響」を受けているのかについて、様々な社会調査の結果から考えてきました。なかでも特に注目してきたのが、「教育格差」の問題です。人生に様々な可能性を与えてくれる教育のチャンスは、本来、誰にも平等に与えられるべきものだと考えるからです。また、格差がどのように生み出されるかを明らかにすることによって、問題点を改善する方法もわかるのではないかと考えています。
 これらに加えて、最近では、人々の持つ「パーソナルネットワーク」、つまり、どういう人とどんな交流をしているかが、様々な生活上の機会やものの考え方に与える影響についても研究しています。どんなネットワークが有益なのか。そうしたネットワークの形成に必要な社会的な条件とは何なのか。これらのことがわかれば、人々がより良い人間関係を形成し、より幸せに暮らせる社会を実現する方法も見えてくると期待しています。

  • 専門分野: 教育社会学 家族社会学
  • 著書1:『学歴の階層差はなぜ生まれるか』勁草書房
  • 著書2:『教育格差のかくれた背景:親のパーソナルネットワークと学歴志向』勁草書房
  • 著書3:『子育て世代のパーソナルネットワーク:孤立・競争・共生』勁草書房(2023年7月刊行)

  • 最近の研究成果

  • 『少子高齢社会の階層構造3 人生後期の階層構造』(東京大学出版会)
  • 『教育と社会階層:ESSM全国調査からみた学歴・学校・格差』(東京大学出版会)
  • 『高校生たちのゆくえ:学校パネル調査からみた進路と生活の30年』(世界思想社)
  • 『教育社会学のフロンティア2 変容する社会と教育のゆくえ』(岩波書店)
  • 研究の詳細は リサーチマップをごらんください。
  • 人間科学部のホームページは こちら


  • 最近の主な研究プロジェクト


    『子育て世代の公共的価値志向とパーソナルネットワーク』

  • 2023年度から始まった科学研究費補助金(基盤研究B:課題番号23H00940)による調査研究。
  • 子育てや社会のあり方に関する価値観が、周囲の人々との交流とどのように関わるかを明らかにすることが目的です。
  • それにより、より良い社会を実現していくための条件についても、考えて行きたいと思っています。

  • 『子育て世代の人づきあいと希望に関する調査』

  • 2021年に小中学生の子どもと暮らす方を対象にした調査を実施しました。
  • ご家族や周囲の方々との交流が、子育ての状況や将来への希望とどう関連しているのかを明らかにすることが目的です。
  • 調査の結果から、子育てに関する潜在的な支援ニーズや、より良い子育て環境の整備に必要な条件を明らかにし、社会へ提言することを目指しています。
  • 詳しくは、この調査の特設ページ をごらんください。



  • その他の研究プロジェクト

    『格差の連鎖・蓄積モデルからみたライフコースと不平等に関する総合的研究』

  • 2018年度から実施(2024年度まで)の特別推進研究(研究代表者:石田浩 東京大学)(課題番号:18H05204)
  • このうち「3世代からみた不平等の再生産」に関する研究プロジェクトに参加
  • 現在、調査データの分析をしているところです。

  • 「負の社会ネットワーク論」の構想と実証研究の展開可能性に関する調査研究

  • 2018年度から実施(2021年度まで)の挑戦的研究(萌芽)(研究代表者:石田賢示 東京大学)(課題番号:18K18593)
  • 2020年末に調査が実施されました。
  • 現在、調査データの分析をしているところです。

  • 『人生のあゆみと格差に関する全国調査』

  • 「2015年社会階層と社会移動調査(SSM2015)」(特別推進研究事業(課題番号:25000001)
  • 様々な角度から社会的な格差の問題を明らかにしてきた、日本の社会学を代表するプロジェクトです。通称、SSM調査。
  • 1955年の第1回調査以来、10年ごとに実施されてきました。私自身は、第5回(1995年)調査から関わっています。
  • 第6回(2005年)調査までの成果:『現代の階層社会[全3巻]』(東京大学出版会)
  • 第7回(2015年)調査の成果報告書:『2015年SSM調査報告書』
  • 2015年調査の成果をまとめた書籍:『少子高齢社会の階層構造3 人生後期の階層構造』

  • 『高校生の進路と生活に関する調査』

  • 1981年、1997年、2011年の3回にわたって、兵庫県の10数校の高校3年生を対象に、学校生活や進路選択、将来の職業や社会についての考え方などを調査してきました(研究代表者:尾嶋史章 同志社大学)。
  • 30年間にみられた変化の1つとして「高校生のまじめ化」があります(朝日新聞2012.11.21に関連記事)
  • 第2回調査までの成果:『現代高校生の計量社会学:進路・生活・世代』(ミネルヴァ書房)
  • 第3回調査の成果をまとめた書籍:『高校生たちのゆくえ:学校パネル調査からみた進路と生活の30年』(世界思想社)

  • 『教育と仕事に関する全国調査』

  • 「教育・社会階層・社会移動全国調査(ESSM2013)」(科学研究費(基盤研究A):課題番号23243083)
  • SSM調査の伝統を引継ながら、教育に関する質問を充実させた調査です。
  • 研究成果をまとめた書籍:『教育と社会階層:ESSM全国調査からみた学歴・学校・格差』(東京大学出版会)

  • 『全国家族調査 (NFRJ)』

  • 日本家族社会学会による全国調査。家族内での様々な関係を詳しく調べています。
  • 1998年の第1回調査以降、第3回(2008年)までは5年毎に、第4回は2018年に実施されました。
  • 第3回調査までの成果:『日本の家族 1999-2009:全国家族調査(NFRJ)による計量社会学的研究』(東京大学出版会)
  • 第4回調査の成果報告書がHP上で公開されています:第4回全国家族調査 (NFRJ18)第2次報告書




  • Copyright© Osaka University Aramaki All Rights Reserved.