どうすれば「人々が幸せに暮らせる社会」を実現できるでしょうか?
その反対に、充実した幸せな生活を阻害する要因とは何なのでしょうか?
これらの疑問に答えるため、人々の生き方や考え方が社会的な条件によってどのように「影響」を受けているのかについて、様々な社会調査の結果から考えてきました。なかでも特に注目してきたのが、「教育格差」の問題です。人生に様々な可能性を与えてくれる教育のチャンスは、本来、誰にも平等に与えられるべきものだと考えるからです。また、格差がどのように生み出されるかを明らかにすることによって、問題点を改善する方法もわかるのではないかと考えています。
これらに加えて、最近では、人々の持つ「パーソナルネットワーク」、つまり、どういう人とどんな交流をしているかが、ものの考え方や行動に与える影響についても研究しています。具体的には、母親のネットワークが子育てのあり方、特に子どもに対する教育・職業期待に与える影響や、どういうつきあいが社会貢献の意識や他者への信頼を形成するのか等について調べています。
どんなネットワークが有益なのか。そうしたネットワークの形成に必要な社会的な条件とは何なのか。これらのことがわかれば、人々がより良い人間関係を形成し、より幸せに暮らせる社会を実現する方法も見えてくると期待しています。